素っ気ない君よ、どうかこっちに振り向いて!

恋なんて自覚した時にはもう後戻りが出来ない物なんだと、そんな簡単な事に僕が気付いたのは、やっぱり後戻り出来ないくらい人を好きになった時だった。
もう、なんでとか、何時からとそんな事覚えていないけど、自覚したとたん此の想いは爆発しそうな程膨れ上がっていたんだ。
なんで今の今迄気付かなかったのか不思議なくらいにね。
それから僕の奮闘の日々が始まった。
あの捨てられた猫みたいに人に慣れようとしないテッドに振り向いて貰う、其ればかり考えて行動した。
こっちを見てよ、苦笑でも良いから僕に笑いかけて、独りでそんな泣きそうな顔をしないで。
僕が居るよ。テッド、君は独りなんかじゃない。それに気付いて。
僕がそうやって溢れる想いを態度で示せばテッドは猫が威嚇して爪を立てる様にこう言うんだ。
「俺に構うな!!」って。
そんな寂しい事言わないで。大丈夫だよ、僕は死なない。怖がらないで。
淋しがりやなくせに「一人が好きだ」なんて、そんな哀しい強がりはもう止めて良いんだ。
「僕は君の持つ紋章じゃ死なないから」
あまりにしつこい僕にキレたテッドが自分の持つ紋章に付いて話してくれた時、僕はテッドにそう言った。
だけど、そう言った瞬間、テッドの顔が曇ったのを僕は見てしまった。
…どうしてそんな風に悪い方にばかり考えるんだい、君は。
どうせ、「僕は罰の紋章で死ぬから君の紋章では死なない」とかそういう意味で言ったんだと思ってるんだろう。
ねぇ、テッド。僕って結構我が儘なんだ。だからこんな紋章で死ぬ気も無いし、君を諦めるつもりも無い。
僕は生きて、僕を見捨てた奴らを見返して、そして絶対に君を惚れさせてみせる。
「僕は必ず生きて、そして君も手に入れるから!」
沈んだ表情のテッドの肩を掴んで僕はそう宣言した。此の時のテッドの驚いた顔は今でも忘れられないよ。あんな可愛い顔、反則だ。
じっと見詰める僕に、驚いていたテッドは気付くと顔を真っ赤にしてこう叫んだんだ。
「俺はお前なんか好きじゃないからな!!」
…そんな顔じゃ説得力無いって、どうして気付かないんだろうね、君は。
どうやら脈は有るらしい。うん、前進あるのみって事だ。
待ってて、テッド。必ず振り向かせてみせるから!


“若者は挫けない”



※超ポジティブな4様とかも良いんじゃないでしょうか。これくらいポジティブじゃないと彼やってけ無い気がする。