「………」
 今、僕は嘗て無い程落ち込んでいる。
 テッド僕に黙って出かけてしまったんだ。
 何て事だ!あれだけ僕の傍にいてくれるって言っていたのに!!
 …やっぱり自分を殺した奴なんかと一緒にいるのは嫌だったのかな、僕はベットの上に蹲りながらガシガシと頭をかじった。
 ぐるぐると一人きりの部屋で考えていると、嫌な事しか浮かんでこない。
 初めは何か用事があってテッドは出かけただけだと思っていたけど、今じゃあテッドが僕に愛想が尽きたとしか思えない。
 もし、此の予想が本当だったらどうしよう。テッドが僕をおいて行ってしまうなんて。
 もしそうだったら………
 僕はベットに寝転がって、胎児の様に膝を抱えて爪を噛む。
 こんな風に爪を噛むのはシークの谷でテッドを死なせてしまった後以来だった。
 がりがりと親指の爪を噛んでいると、急に指先に痛みを感じた。
「っ!!」
 噛んでいた指を口から離してみて見れば、白い部分が無くなった爪が血を滲ませている。
 仕方が無いから次の指を噛む事にする。
 何もかもが気に入らない。
 直ぐに無くなる爪も、こんな風に僕が落ち込んでいるのに慰めに来ない仲間も、馬鹿みたいに落ち込んでいる自分も。
皆居なくなってしまえば良いのに。
 僕も、誰も彼も皆。
 みんな……
「……死にたい…」
 じゃなかったらテッドに会いたい。
 もう嫌だ、テッドが居ないのになんで僕は生きているんだろう。僕は、僕は、ぼくは……
 包まったシーツをぎゅっと握り締める。
 何も考えたく無い、眠ってしまいたい。それで、永遠に目が覚めなければ良いのに。
 テッド、テッド、テッド、会いたいよ。今直ぐ僕の前に現れて、僕の事好きだって言って。
 もう離れないって、僕が君を殺したのだって気にしてないって。
 許せないんだったら、居なくなったりする前に僕を殺して行ってよ。
 白い部分の無くなった親指を更に噛むと、鉄臭い味がしたけど僕は気にせず、更に噛み続けた。

 テッド、君だけが僕の生きる理由。




※でも、此の後テッドが帰って来ると速攻で何時もの坊ちゃんに戻ると思います。テッドはあれです、トイレにでも行ってるんですよ。