初めて彼を見た時から、僕は彼が欲しくて堪らなかった。
きっと、否、絶対。彼なら僕の此の言い様の無い空洞を埋めてくれると思った。
僕の此の空ろを満たしてくれる存在だと、そう直感できたんだ。
彼を手に入れたくて手を延ばすと、彼はするりと逃げていく。
僕を王子として敬ったり、特別扱いなんて一切しない。
それが酷く心地好かった。
でもね、ロイ。
僕は欲しいと思ったモノは手に入れる主義なんだ。
だから___


”逃がしてなんてあげない”