俺はヨハンが俺の事を友達以上に思っていてくれる事に気付いている。 でも、俺にはユベルがいる。覇王がいる。 ヨハン以上に大切に思う存在が、今の俺にはいるんだ。 ヨハンが全てだった時間は俺の中で既に終わっていて、もう俺は一人で立って歩いていける様になった。 誰かに依存する子供だった俺は、異世界での旅が終わった時に死んだ。 以前のヨハンに依存していた時の俺だったら、もしかしたらヨハンの思いに答えたかもしれない。 でも、それは恋じゃなくて、依存している相手を失う事を恐れての行動だと、今の俺には分かる。 俺にとってヨハンは親友で、決してそれ以上にはなり得ない存在なんだ。 だから、俺はヨハンの気持ちに気付いていない振りをする。 恋なんて興味の無い、デュエルだけが全ての子供の俺を演じる。 これは、きっとヨハンが諦めてくれる迄続くのだろう。 俺の遠回しなヨハンの想いへの答え。 なぁ、ヨハン。俺、お前が諦める迄止めるつもり無いんだ。 お前の気持ちには答えられないんだよ。 だからさ、いい加減、 俺が拒絶しているのに気付かない振りするのは止めてくれないか。 04 遠まわしな拒絶 |