パラレル・パロ集合小部屋


※注意書き※
01:籠ノ鳥媛(パラレル)
02:青眼の白龍がみてる(マリみてパロ)
03:巡りゆく世界(回帰ネタ)
04:明日十?(にょた)
05:吸血鬼十代(吸血姫パロ)
06:十代双子で万十1
07:十代双子で万十2
08:亮十←ヨハ(護くんパロ)























































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 注意書き

 日記にアップしてみたもののまとめようがねえよなあとか思った主にパロ、パラレルをぶち込んでありまふ。
 特に続きを書こうって気がなかったり、ふと我に返ってしまって書かなくなったりな話を中心に収録。
 ここに置いてある話は基本的に 続 き ま せ ん 。
 ねぎっちょは気まぐれなので、拍手とかなんとかで此れの続き書こうぜ!みたいに煽てられたらもしかしたら書くかもしれねっす。
 まあそんな感じでまたーりと楽しんで頂ければと(・ω・')

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「大丈夫だって、すぐ隣に移るだけなんだからさ」

 今にも泣き出しそうな顔で笑って、まるで自分に言い聞かせるように、十代は言った。それがどう言うことか、覇王も十代もよく知っている。
 自分が泣けば、この優しい兄が困るはずだ。そして誰よりも辛いのは年の変わらぬ兄であるはずだ。そう思い、ぐっと堪えるが目頭が熱くなるのは止められない。
 今日、この二人の誕生日に兄は嫁いでいく。嫁ぐとは名ばかりの、神への贄として捧げられる。
 それが遊城の家に黄金と翡翠の眸を持って産まれた子供の役割だ。千年もの昔から定められた為来たりなのだ。
 子供の頃よりそう言い聞かせ育てられてきた十代は、きちんと役目と理解している。それでも、目の前にいるこの双子の弟と二度と会えなくなるのかと思うと、きしりと胸が痛むのだった。



籠之鳥媛



「お前、神を信じるか?」

 目の前の親友にそう言われ、ジムは思わず言葉を失った。
 昼時のカフェテリアは自分たちを取り残し、変わらず学生たちで賑わっている。

「What's?」

 何を言われたのか脳が理解を拒否して、思わずもう一度問い返す。

「だから、お前は神を信じるかと聞いている」

 あからさまに驚いた顔をして尋ね返され、覇王は眉を寄せながら同じ事を言う。それにジムは盛大に驚いた。どちらかと言えば覇王は理論的なものを好み、勝手だが超常現象のたぐいには否定的だと思っていた。勿論、神など鼻で笑い飛ばすものとジムは勝手に信じていたのだ。

「神? Jesus-Christ?」

 自分も到底敬虔とは言い難いが、クリスチャンなので信じている。が、覇王が信じているとは爪の先ほども思えなかった。

「キリストではない。なんと言ったか、家に憑く……」
「Sprit?」
「それだ」

 そう言われても、ジムからしてみれば覇王の口からそんな話題がでる事自体が信じられないのだが。

「どうしたんだ、いきなり」
「信じるか信じないかを聞いている」

 思わず問い返してみても、ばっさり切り替えされては意味がない。兎に角、ジムは素直に思っていることを口にする。

「I beleve in、勿論さ」

 すると覇王は何か考えるように暫く黙り込んだ。

「ジム」

 不意に名前を呼ばれ、改めて覇王を見たジムは息を呑む。あまりに真剣な顔をして彼は言った。

「俺の話を聞いてくれ。そして出来れば協力して欲しい」





(設定は細かく作ってみたけど我に返った)

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「ごきげんよう」
「ごきげんよう」

 爽やかな朝の挨拶が、澄み切った空を頂く孤島の学舎に木霊する。青眼を携えた白き龍の箱庭に集う子供たちが、今日も笑顔で挨拶を交わしながら、背の高い門を潜り抜けていく。

 汚れを知らない心身を包むのは、神に準えた三色(みしき)の制服。
 私立デュエルアカデミア学園。

 バトルシティ後に設立されたこの学校は、デュエリストの育成を目的として作られ、オーナーを頂点とした伝統あるヒエラルキーが形成されいる学校である。

 南海に近い比較的小さな、島の半分は人の手の入らぬ自然豊かなこの孤島で、掲げられた三神と青眼の白龍に見守られ、幼稚舎から高校までの一貫教育が受けられるデュエリストの園。

 十四年間通い続ければ温室育ちの純粋培養デュエリストが箱入りで出荷される、という仕組みが成立される貴重な学園である。





(マリみてパロですな)

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「はは……ははは……あはははは、ははっ、あははははは」

 仰向けに倒れたまま、ヨハンは壊れたように笑い続ける。耐えるように拳を握りしめ、俯いたまま、十代は唇を噛み締める。どうしてこんな事になってしまったのだろう。此れが宿業という奴だからさ。頭の中で自分の声と混ざり合ったユベルの声が囁いた。

「あーあ、今回は負けちまったな」

 気が済むまで笑ったヨハンは、十代に言う。少しも残念でないような口調だった。
 十代は泣きそうに顔を歪め、デュエルディスクを放り出して、ヨハンの元へと駆け寄った。ヨハンはどうにかと言った感じで首だけを動かし、十代を見る。

「前は俺が勝ったのにな」
「……なんでっ」

 咽ぶように十代は叫ぶ。

「なんで、なんでっ……こんな……!!」
「宿命って奴だからさ」

 そう言ってヨハンは笑う。

「でもよかったよ。結果的には変わらないけどさ、お前に直接俺の事、殺させなくて済んだ。デュエルがあって、本当によかったよな」

 心の底からそう笑うヨハンに、十代は声を詰まらせた。

「なんで、他に、なんかっ……なんかなかったのかよ! だって、だって、こんな……」

 哀し過ぎるじゃんか。

 絞り出した声は掠れて、耐えきれず溢れた涙に、ヨハンは優しい声で囁く。

「俺が死ぬか、お前が死ぬか。変えられないよ」

 諦観の混じった声は尚も紡ぐ。

「お前を殺すのとかは辛いけど、俺は結構、嫌じゃねえぜ? だって、絶対にお前に逢える。何度も巡って、何度も親友になれるとか、凄くねえ?」

 心の底からそう思っているように言うヨハンに、十代は縋る。

「なんでだよ、なんで、そんな、思えねえよ……そんな、だって」
「だってそう思わなきゃやってらんねえよ」

 言葉を遮ってぽつりと漏らされた本音に、十代は返す言葉を見つけられなかった。にっと特別綺麗に笑ってみせて、ヨハンは言った。

「大好きだぜ、十代。だからさ、また逢って、また友達になって、そんで、また、殺し合おう」

 言い終わるのと同時にヨハンの体が光の粒となって、端の方から崩れて宙に溶けていく。

「『またな』」

最後の言葉は、十代の耳の奥の方に響いた様な気がした。

巡る、巡る、輪廻、輪転、転生してはまた回帰。
終わる事のない宿業の袋小路。
背負うものは宿命。
残されるのはただ一人。
そして、僕らは、また、

巡る。




(親友で殺し合いな妄想)

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 明日香さあ、スタイルいいよな。
 言外に胸が大きいと言っている十代に、明日香はドローパンを口元に運ぶのを止める。

「なあに、どうしたの急に」
「や、思っただけなんだけど」

 突然始まった女同士の会話に、十代を慕う取り巻き達は少々居たたまれなくなって視線をそらす。
 因に最初の一言目に明日香を、次に十代を見てしまったのは男の子の性という奴だ。

「同い年なのになんでこんなに差がでるんだー?」
「十代もすぐに大きくなるわよ」

 己のささやかな胸を見下ろしながら心底そう思うという十代の発言に、明日香は苦笑しながら答える。

「でも大きいのも考えものよ。肩は凝るし、運動するのに邪魔だもの」
「……それは贅沢な悩みだよな」

 なー、と自分を姉御と慕ってくる翔と剣山に尋ねるが、彼らの心境を正確に表せば「同意を求められても……」と言った所である。存外初心な万丈目は早くも明後日の方向を向いている。

「でも全くないって訳じゃないんだから、大きくなるわよ」
「ちょ、明日香?!」

 ぺたり、とごくごく自然に明日香は十代の胸を触る。一瞬反応に遅れたものの、十代は叫び、周囲は凍り付くと言うか、飛び跳ねるのを抑え込んだ。

「揉むと大きくなるって言うわよね」
「ちょ、揉みしだくなって! あ、明日香っ!!」

 逃げ出そうとする及び腰の十代の胸を鷲掴み、明日香は真面目な声色を取り繕ってそう言う。

「だって大きくしたいんでしょう? だったら試してみる価値はあるんじゃないかしら」
「キャラ変わってる! キャラ変わってる!!」

 周囲に助けを求めるも、女同士の戯れ合いに男性陣が入っていける筈もなく、ふらりと遅れて登場した吹雪が止めるまで、明日香と十代は戯れ合うのだった。




(男同士でいちゃいちゃはほも。おにゃにょこ同士なら戯れ合いということでにょた。ひんぬー十代萌え)

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「十代」

 夜の訪れが世界に夕闇のヴェールを落とす様を寮の屋根から見下ろしていた十代に、影が囁きかける。それを当たり前のように、十代は影の名を呼ぶ。

「ユベル」

 名を与えられた影はゆっくりと闇を集め、やがて十代の横に腰を下ろす異形の姿を纏う。

「どうしたの、十代。珍しいじゃないか。君が誰かを傍に置こうだなんて」

 慈しむ眸でユベルは十代を眺め、アンデルセンだっけ、とまるで人事のように彼の人の名を紡ぐ。

「傷つくのは君だ、あまり深入りしない方がいいよ」
「分かってるさ。ヨハンは人間だからな」
「その割には距離が近いようだが」

 十代よりも少しばかり低い声と共に頭に手を置かれ、十代は振り返る。

「覇王」

 そこには十代の姿を写した青年が闇を従え、侍らせ、立っている。黄金の眼は少しも暖かさを感じさせず、けれど不思議な煌めきを宿して十代の姿を映している。

「一つの場所に余り長く居ることは難しい」
「分かってるよ」

 少し拗ねたようにそう言った十代に、覇王もユベルも眸を和ませる。

「でも友達だって言ってくれたんだ」
「十代……」

 心配するようなニュアンスでユベルに呼ばれ、十代は顔を上げた。

「分かってるよ。でもさ、ちょっとだけ、それ位いいだろ?」
「好きにするがいい」
「まあ、僕たちが君の傍に居るのは変わらないからいいけどね。ところでそれ、何?」

 十代の掌の中で光るそれを目ざとく見つけ、ユベルは手元を覗き込むように尋ねる。

「これか?」

 十代は優しい手つきでそれをつまみ上げた。ゆっくりと揺れて、月の光で輪郭が光る。

「イコンだってさ。ずっと友達で居られるようにって、ジンクス?」
「ふうん?」

 少し照れくさそうに十代が言うと、ユベルは気のない返事を返す。全貌を見た途端、興味は他のところに移ったというような様子に、十代は小さく笑う。

「永遠なんて、そんないいもんでもないのにな」

きらきらと揺れるイコンを見ながらそう漏らした十代を、覇王はゆっくりと抱き込んだ。

「あ、狡いよ覇王」
「やったもの勝ちだ」

横で膨れるユベルと勝ち誇ったように言う覇王に、十代は小さく苦笑した。




(吸血姫パロ。わかった人は仲間w)

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床に座り込んで、同じ目線のはずの十代は僅かに上目遣いで万丈目を見上げる。琥珀色の眸に酷く狼狽した自分の姿を見つけて、妙に冷静になった。
「十代」
声に出して名を呼べばそれに応えるようにして表情を綻ばせる十代に、酷く優しい気持ちになる。愛しいこの存在を、壊れものを扱うようにして、そっと頬の稜線を指先で辿る。笑むようにして、十代の眸が閉じられた。
それに惹かれるようにして、万丈目は顔を近づける。

ドアの開く音がして、二人して固まる。
「……あー」
気不味げな声に振り向けば、ドアを開けた体勢で動きを止めた覇王とばっちり目があった。
「俺の事は気にせず接吻を続けるがいい」
覇王なりの気遣いに、万丈目は心底思う。
お前は何時の人間だ!


(覇王と十代双子でユベル持ち内気十代)





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 小さく呻き声を上げて、十代はゆっくりと眸を開けた。低い目線は机と椅子の脚を写し、寝起きの働かない頭でぼんやりと自分が床に寝ていることを理解する。
 確か新しくデッキを組んでいたような、そう思い上体を起こせば掛かっていた毛布が落ちる。

「起きたか」

 後ろからの声に振り向けば、万丈目が三段ベッドに背を預けてカードをめくっていた。

「まだ眠いならベッドに行け。床じゃ冷える」
「これ、万丈目が?」

 寝起きの上手く回らない舌で尋ねれば、万丈目はひとつ鼻を鳴らして言う。

「風邪をひかれても困るからな。戻すなら覇王の所へ戻せよ」

 お前に掛けるなら奴も文句は言わんだろうからな、呆れたようにそういいながらもデッキ調整する手は止まらない。

「お前のカードは分けてあった山ごとに机の上に置いてある」

 カードに視線をやったまま、万丈目は顎で示す。それを見て、十代は少し笑った。

「万丈目」

 呼ばれて漸く万丈目は顔を上げて十代をみた。まだ眠いらしい十代は夢現のまま無邪気な子供のような笑みを浮かべている。

「さんきゅ」

「…………ああ」

 不覚にも見とれてタイミングが遅れたが、何でもないよふりをして返事を返す。
 そのままもそもそと毛布を抱え、覇王のベッドに入り込む十代を万丈目は黙って見ていた。
 布の擦れる音が止み、穏やかな寝息が聞こえてきたところで、漸く肩の力が抜けた気がする。
 覇王の毛布に包まり丸まって眠る十代の寝顔を覗き込んで、万丈目は小さく笑みをこぼした。


饅頭ーヽ(^O^)/
ユベルいるシリーズだお

おまけ


「おい」

 自分のベッドを覗き込んで、覇王は床に腰を下ろしデッキ調整をしている万丈目を呼ぶ。

「なんだ」

「なんで十代が俺のベッドにいる」

「お前が帰ってくる前に潜り込んでいたからだろう」

 そんな分かりきった事など聞いていない覇王は眉間に皺を寄せて万丈目をみた。

「お前の毛布を借りた。十代が床で寝ていたからな。俺の毛布を降ろすのは骨が折れるからな」

「それは別に構わんが、どう」

「戻そうとして力尽きたんだろ」

 覇王の言葉に被せて万丈目は断言する。

「……ベッドの段を交換してやろうか」

「何を」

 意地の悪い笑みを浮かべ、覇王は万丈目に言う。言いながら振り向いた万丈目は、何か企んでいそうな覇王の悪い顔に言葉を失った。

「そうすれば十代は貴様の所に潜り込むだろ。俺は剣山あたりの所に乗り込んでくるから、好きに振る舞えばいい」

「何をっ……!」

 赤面する万丈目に覇王は鼻を鳴らして言った。

「貴様は見ていて焦れったいのだ」





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※ヨハンは十代の事を二つ名の「ダァト」と呼んでます
※すごい酷いヘルヨハ状態でござるwww(でもノーマルw)




「会いたかったよ、僕のダァト」

 メルセデス・ベンツから日大EAに降り立った虹駆る魔王の異名を持つヨハン・アンデルセンは真っ直ぐに十代を見据え、その整った美貌に正に魔王と呼ぶに相応しい笑みを浮かべる。

「ヨハン・アンデルセン……」

 たじろぐ様子で呟いた十代に、亮は衝撃を受けた。いつも根拠のない自信を持って、実際その通りにしてしまう十代が、今、目の前のこの男に気圧されているのだ。
 ヨハン・アンデルセン。噂で耳にした事は数えきれぬ程、数多の恐ろしく残酷な逸話を残す人物。
 エメラルドの髪は朝日に照らされ、まるで誠の宝石の如き輝きを放ち、笑みを讃える水に浸した翡翠の様な眸は揺るぎない自信に満ちている。多少の幼さを残す顔立ちは、その自信に満ちた表情を前に鳴りを潜める。自分に絶対の自信を持つ存在。
 居並ぶ生徒会役員達等、ヨハンの目には入っていなかったに違いない。十代に向けられた壮絶な笑みに、誰もが言葉を失くし、視線が釘付けになる。
 十代が一歩、足を引いた瞬間、凍てついた空気が動き出す。ヨハンも踏み出し、十代に歩み寄らんとした瞬間、亮は二人の間に手を差し出した。

「なんだい、君は……ああ、君が丸藤亮」

 笑みは消え、凍てついた眸に亮は息を詰める。ヨハンは秀麗な眉を寄せ、忌々し気に亮を睨みつけ、吐き出した。

「僕のダァトを誑かした張本人……」

 そこを退け。あからさまな上から物を言う態度に亮も眉を顰める。

「退かないならば、退かすまでだけどね」

 ヨハンの周りのエーテルの振動をいち早く察した十代が、亮を庇う様に彼の前に進み出た。その様子にヨハンは満足気な笑みを浮かべて十代の頬に手を伸ばす。

「誑かされた覚えはないぜ」

「ふふ、久しぶりだね、ダァト。健やかそうで何よりだよ」

 頬を滑るヨハンの手を叩き落とそうと上げられた十代の左手は、叩き落とすよりも先にヨハンによって捕らえられる。不愉快だと言わんばかりに十代は眉を寄せ、吐き捨てる様に言った。

「離せよ」

「離したらダァトは逃げてしまうだろう? ふふ、怒る顔も愛らしいね」

 ヨハンからすれば振り解こう必死になる十代が可愛らしく、解かれないよう少しずつ力を強めていくと十代の表情が歪む。

「っ……!」

「ごめん、力が入ってしまったね」

 両手で十代の左手を取って、ヨハンは陶酔する様な笑みを浮かべる。その笑みは亮も十代もぞっとさせるには十分すぎて。

「僕は君の愛が欲しい。僕は君を愛している、君の為なら僕は全てを捧げよう」

「……錯覚だ」

「錯覚なんかじゃないさ」

 十代の台詞を否定して、ヨハンは嗤う。

「僕と対等で居られるのは君だけ……そして本当の意味で君の孤独を埋められるのは僕だけさ。君が今、他の男を見ていようと、必ず振り向かせてみせる」

「待て──!」

 亮の叫びにも物ともせず、ヨハンは十代の手の甲に口付けた。そのまま唇を滑らせて指先にも音を立てて口付けるヨハンに、十代と亮だけでなく、その場に居合わせた誰もが度肝を抜かれた。

「は、離せよっ!」

 真っ赤になって泣きそうな声で振り払う十代に、満足そうにヨハンは左手を解放した。左手を抱く様に抱え、十代は俯く。

「十代」

 亮に呼ばれ、はっとした様に十代は顔を上げ、うろたえ泣き出しそうな顔で数歩後ろに下がってから、そのまま耐えきれずに走り去った。

「十代!」

 後を追おうとした亮に、後ろから声がかけられる。

「丸藤亮」

「ヨハン……アンデルセン」

「貴様ではダァトに釣り合わないよ」

 地を這う様な声で言わた言葉に、亮の中の何かが切れる。
 上等ではないか!
 亮は自身に出来うる限りの眼光でヨハンを睨み返した。
 お前なぞに十代を渡すものか!
 こうして日大EAにおける「エレメントに愛された死天使」を巡る鞘当ては、ヨハンのあからさま過ぎる挑戦により幕を開けたのだった。





(護くんパロ。文は変えて、展開そのものをまんまパロ)



作中専門用語
エーテル:
大気中に存在する人間の精神に反応し様々な「事象」を引き起こす新たなる「元素」。現代の魔法と呼ばれ、未だ多くを解明されていない
エレメント:
大気中に含まれるエーテルを結合させ自己の精神を投影し、物質としての実体化および力を行使する媒体の事。
日大EA:
正式名称「日本エーテル総合大学付属エレメンタルアカデミア」


他キャラ設とかは1/30の日記参照

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